本山の香り茶 製造工程
○萎凋(いちょう)○ 茶葉を天日や室内におきます。日光にさらすことで、お茶の温度があがり萎れてきます。葉の内部の酵素が働くことでお茶に香りがでてきます。日光萎凋が進むと葉が萎れ、葉の緑色が濃くなってきます。 萎凋時の日光の強さ、摘採したお茶の具合(ミル芽か硬葉か)等を考慮し、萎れ具合、香り等を観察しながら行います。 日光萎凋の程度を調節するため、上下を入れ替えたり、室内萎凋時に葉に刺激を与えるために撹拌も行います。 | 日光萎凋の様子 |
○殺青(さっせい)○ 高温で酵素活性を壊して、発酵を止めます。 200°以上に熱せられた釜に萎凋後の生葉を投入します。生葉内の水分が熱せられ(蒸発し)”パチッパチ”といった音がします。葉の内部に水分が残っている為、短い間では焦げたりはしません。 釜の前方から茶葉の水分が蒸気となってでてきます。 |
○揉捻(じゅうねん)○ 殺青後、揉捻機に投入します。葉の内部の水分を出すため、葉の形状(よく撚りまれる)形になるようにお茶を揉みこみます。 殺青後、表面が乾いていたお茶が揉捻により、内部の水分が表面にでてきます。揉捻の時間が長いとお茶が撚りこまれ絡まり”玉”になることがあるので”玉”になり過ぎない程度に行います。 |
○乾燥○ お茶を乾燥させます。仕上げの乾燥には、乾燥機(熱風を送り乾燥させる)や釜炒り機を使用します。揉捻機の後のお茶は水分が表面にでているため、釜炒り機に張り付いてしまいます。表面の水分を乾燥機で乾燥させてから、釜炒り機で仕上げます。 お茶の香りがとても感じられる工程でもあります。熱風を通して”ふわっ~”っと良い香りがしてきます。 |
○できあがったお茶○ 釜炒り機を通して仕上がった茶葉はくるくるとカールした形状になります。 葉の組織が壊れにくい製法ですので、普通の煎茶に比べ、成分の抽出がゆっくりです。急須での待ち時間も長くなり、”煎がきく(4煎ほどまで)”お茶です。茶がらはお茶の形状を残したものが多です。 ガラス製の容器を使用すれば、茶葉が元の形状に戻る様子がご覧になれます。 |